アリとキリギリス

 

 虫の鳴き声が涼しげに聞こえる季節がやってきました。昨日、我が家の脱衣所で謎の侵入者を発見しました。最初は「ゴキブリ」かと思いましたが、どうも「コオロギ」の様です。秋に鳴く虫といえば、黒褐色の小さな「コオロギ」を思い浮かべる人も多いでしょう。ところがこの虫、昔は別の名前で呼ばれていたらしい。「キリギリス」だ。キリギリスといえば緑色のバッタのような虫のはず。コオロギとは似ても似つかぬ姿形だ。古くはコオロギのことをキリギリスと呼び、キリギリスのことをハタオリと呼んでいたというのだ。

 「キリギリス」といえば、イソップ童話「アリとキリギリス」が思い出されます。冬になって、おなかの空いたキリギリスがアリを訪ねました。「お腹がすいて死にそうだ、食べ物をもらいたい」と言いました。するとアリは「あなたは、なぜ夏の間食べ物を集めておかなかったんです?」と聞きました。キリギリスは「暇がなかったんです。歌ばかり歌っていましたから」と、涙を流します。すると、アリは笑いながら言いました。「夏の間に歌っていたのなら、冬の間は踊りなさい」こうして、哀れなキリギリスは飢え死にしてしまうのです。

 『アリとキリギリス』というこの寓話を論破した看板が、Twitterで話題となりました。その看板とは、<アリの寿命は2年 キリギリスは2か月 だったら遊ぶよな…>。なんと、そもそも寿命的にキリギリスは冬を越えることができなかったのです。太く短くの人生を全うしたということです。夏の間に調子に乗り、冬への準備を怠ったせいで飢えてしまった愚か者。そんなイメージが植え付けられてしまったキリギリスですが、もしかしたら限りある人生を楽しんだ賢者だったのかもしれません!

 今、世間はといえば、秋の虫の音ならぬ、騒々しい選挙カーが候補者の名前を連呼しています。キリギリスの寿命は2か月だそうです。さてさて候補者の皆さんの寿命は公示日からの2週間なのか、それとも当選を成しえて4年間寿命を延ばすのか?キリギリスと同色の○○の党の皆さん、せいぜい踊って歌って下さい...。秋の虫の音ならぬ、お腹の虫がグーグー鳴きだしました。食欲の秋宜しく、夜食を少々戴くことといたしましょうか......。

Share on Facebook
Share on Twitter
Please reload

アーカイブ
Please reload

© 2020 きむら尾張町クリニック