キジも鳴かずば撃たれまい

求愛の雉は鳴くとて撃たれまい

 むかしむかし、犀川のほとりに、小さな村がありました。この村では毎年、雨の季節になると川が氾濫して多くの死人が出るため、村人たちは大変困っていました。

 この村には、弥平という父親とお千代という小さい娘が住んでいました。お千代は重い病気にかかっていました。弥平はお千代のために一掬いの米とあずきを盗みました。しかし、お千代の歌から弥平の盗みがばれ、罰として人柱になってしまいました。

 お千代は泣き続け、ある日を境に何もしゃべらなくなってしまいました。ある年の事、一人の猟師がキジを撃ちに山へ入りました。そしてキジの鳴き声を聞きつけて、鉄砲の引き金を引きました。そこには撃たれたキジを抱いたお千代が立っていたのです。

 「キジも鳴かなければ撃たれなかったのに」という言葉を残してお千代は姿を消してしまいました。これは、石川県に伝わる民話です。今日、実家の山ではオスのキジが鳴いていました。どうもこちらは、求愛行動の様ですが....。

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